4月24日に勉強会「Twitter 140文字文章講座 〜災害72h以内の情報発信リテラシー」が開催されましたのでその模様をレポートします。
テーマと背景
今回の勉強会ではテーマを「個人の発信」に特化しました。その背景は気象庁の「ネットワーク社会における新たな市民参加型の減災を目指して(pdf)」という文書から引用します。「グローバルかつリアルタイムに情報が交信できる今、多くの市民は複数の情報源から瞬時に情報を入手し、自らの判断に生かしています。また、このネットワークを通じて自らが参加し情報の発信主体となり、その情報・経験を共有することによって、他者の減災に貢献することが可能になっています。こうした市民の草の根の情報が、ネットワーク社会の減災活動では大きな力を発揮します。しかも、こうした個人の行動は、自発的、他者実現的に行われる傾向が強く、“Give & Take” ではなく、“Join & Share” とも呼べる、ネットワーク時代の新しい市民参加型(WITH 型)の減災活動の基盤となっていくと考えています。」この市民参加型の減災活動の一環として、自らが被災および災害を目撃した際における文章の書き方、ツイートの方法などを座学と実践で身に付けることが目的です。講師はコピーライター・作家の竹島靖さんです。Twitterを使い140文字で適切に伝える文章を学ぶとともに、今後広めていくべき「災害時情報発信リテラシー」を参加者で考える場を設けました。 また情報発信チームからは災害時のTwitterの作法についての案を以下のように発表しました。
座学編
災害時でのTwitterの発信のポイントして、竹島さんは「防災Twitter6箇条(仮)」としてまとめて言及されていました。具体的には次の6つです。「目的や手段を想定する」 「5W1H」 「数字は強い」 「写真で語る」 「ジオタグ」 「事実と意見を分ける」
「目的や手段を想定する」…Twitterを含めた情報発信ツールをどのような目的・手段で使うのか。例えば家族や友人などの安否確認のためなのか、もしくは支援を要請・拡散するためなのかといった目的や手段に合わせて考える必要がある。 「5W1H」…When「いつ」、Where「どこで」、Who「だれが」、Why「なぜ」、What「何を」、How「どのように」という新聞記事を書く際にも用いられる基本要素。これらを踏まえて投稿すると伝わりやすい投稿となる。「5W1H」で伝える例として110番通報が参考になる。 ●参考リンク:5W1Hの解説(信濃毎日新聞) 110番かけ方のコツ(オールアバウト) 「数字は強い」…例えば「大きな津波が襲ってきたのが見えます」と書くよりも「高さ10メートルの津波が防潮堤を越えてきたのが見えます」といったように数字を出すことで、受け手にどの程度の危険度なのかが伝わる情報となる。 「写真で語る」…文字と同様に写真も重要。「写真は情報の塊である」ことを忘れない。 ※ただし発災初期は写真付きでツイートするとネットワークがダウンするかもしれないので、テキスト優先でツイートする配慮が必要 ※写真に頼ると後で検索ができないので、写真に頼り切らず、必要な情報はテキストでも入れておくほうがいい 「ジオタグ」…ツイート発信場所の特定から状況を把握するための情報として重要。 「事実と意見を分ける」…どんな状況で何が必要なのか。事実を優先する。例えば「助けに来てください。●●交差点は地の海です。混乱が予想されます」とするよりも「救急車が必要です。●●交差点で大ケガで出血した人が20人倒れています」といった書き方のほうがより伝わる。 これらの6箇条に加えて、「平時から自治体・マスメディアなどの信頼あるアカウントをフォローしておくこと」、「過去の事例に学ぶこと」の重要性にも言及していました。前者については、ITx災害コミュニティのTwitterアカウントにて、災害情報を発信している自治体アカウントをリスト化していますのでお役立てください。また後者については、埼玉県和光市が災害時のTwitterによるハッシュタグ利用をアナウンスしており、防災訓練や実際の災害時にも活用されています。 ●参考リンク:「ツイッターによる災害情報の収集・共有」スライド(稲野茂さん)