〈まんが〉災害時の物資支援〜支援したいひとの気持ちを、現地で喜ばれるありがとうにつなげるには?


物資の支援

被災地の映像や、困っている人の声をニュースなどで見ると、現地には行けなくてもせめて何かしたい…そんな気持ちになります。その気持ちは現地の方にとっては本当にありがたいこと。でも、モノを送ることが本当にいいのでしょうか? Yahoo!-漫画-完-縦

解説

物資支援は現地のコストになる場合も?

モノは受け取り手から必要な人に渡すまで、荷下ろし、保管、開梱、仕分け、個別送付というようにいくつかの手順をふむ必要があり、そこに人手とコストがかかります。個人からの小口で複数品目の混在する物資は、実際には使えないものが入っていることもあり、廃棄が必要なケースもよくあります。

企業などからの大口物資を受け入れるのは?

企業などから、大口で単品の物資(まとめて水50箱など)はそのまま開梱、仕分けせずに各避難所に送れるので、現地の負荷は少なくてすみます。

現地の商店への影響?

東日本大震災の時のように広域な被災の場合は、その地域全体でモノが買えなくなります。一方、水害などの災害では被災しているのは一部なので、商店はたいてい通常通り営業しています。その地域に地域外から物資を大量に送りすぎてしまうと、地域の商店の売上が減り、地域経済や雇用に影響してしまうことがあります。

「寄付」はコストがかからない?

お金で寄付がもらえれば、必要な物を必要なときに必要なだけ買うことができます。被災した地域で買い物ができ、経済支援にもなります。また、お金は保管場所に困りません。

今回の災害では、常総市などは一旦受入休止後、必要な物資の品目を毎日公開していますが、(鹿沼市社協の土のう袋も現在は充足し)、他の地域では、物資受入していないところがほとんどです。物資を送りたい時は現地のニーズをHP等で必ず確認しましょう。 また、お金での寄付という選択肢も、ぜひ視野にいれて検討してはいかがでしょうか? 「関東・東北豪雨」、今、支援できること。(寄付)
(記事編集:減災インフォ、漫画制作:田部雅也・富田誠(東海大学)、コンテンツ監修:「災害ボランティア活動支援プロジェクト会議」(支援P)主催の研修参加メンバー)
編集後記 災害があるたび、その功罪が話題になる物資支援。なんとか役に立ちたいという気持ちで行った支援が、うまく伝わらないのは残念なこと。 ということで、数々の現場で現地の避難所支援を行ってこられたみなさんの監修で、「受け入れる人側」の気持ちや現状をわかりやすい漫画にしていただきました。 一方、今回の災害、物資支援に関するTweetは、寄付やボランティアよりもシェアされやすいことに気づきました。なぜモノに向かうのか、「支援を行う人」の気持ちをいくつか推測してみました。
  1. 困っていることが具体的にわかりやすい。だから、支援しやすい。
  2. モノの方が贈った達成感がある。お金よりモノの方が気持ち的に贈りやすい。
  3. 寄付したお金の使われ方はわかり辛い。だから、支援したい場所に確実に届くモノにしたい。
  4. 現地の方にお見舞いなどのメッセージを同梱できる。モノと一緒に気持ちも伝えたい。
そう考えると、支援を行う人側の気持ちに寄り添った物資支援や寄付のあり方や伝え方について、再考すべきなのかもしれません。 モノよりも寄付が汎用的でコストがかからないのは間違いないものの、誰にいつ届くのは寄付者に見えにくいのが現状。今回、被災者向けの「義援金」と支援者向けの「支援金」に分かれ、その使い道が違うことはご紹介できましたが、2011年に別件調査の時には、寄付されたキャッシュが届くのは2ヶ月後以上のことが多いことがわかりました。すぐ役に立ちたいと思って送るお金、いちばん届けたい人に早く届くのは?という観点でも、今後確認していきたいと思います。 支援したいひとの気持ちを、ほんとうに現地で喜ばれるありがとうにつなげていくには? みなさまも体験談やアイデアなどありましたら、こちらまたは、Twitterまでお寄せください。 (こ)