国土強靭化ワークショップに参加してみて


 

東京と大阪にて計4回(2016年10月〜2017年2月)にわたり開催された、内閣官房 国土強靭化推進室主催の減災ワークショップ。減災インフォはワークショップの運営を支援しました。

ワークショップでは、地域コミュニティのあり方、命を守るためにできることなどについて対話を通して考えていくために、対話を促進する手法として専門家に協力いただき「ファシリテーショングラフィック(ファシグラ)」を活用しました。今回、そのファシグラを担当された方からワークショップを通じて得た感想をいただきました。

減災というテーマを絵や文字で表しながら、彼女たちは何を感じていたのか。ぜひご一読ください。

「東日本大震災のときは、泣くことしかできなかった。熊本の震災では、自分らしく、熊本の人々に役立つことをしたい」そう思って、「み絵るヘルププロジェクト」に参画しました。

そのご縁から今回の減災ワークショップに声をかけていただいて。「もっと減災について知りたい」と思っていたので、すぐに参加を希望しました。

どこかで「自分はきっと助かる」「行政がなんとかしてくれる」と思っていた私。
それは1回目のワークショップで崩れさり。
情報提供者の方の話を泣きながら聞いて。
大切だとわかっていても、受けとめきれなくて。

さらに、対話で参加者の方からたくさんの現実を聞き、「はたして私はこれでいいのだろうか」「そもそもこんなに減災を知らない私がグラフィックを描いていていいのだろうか」という自分の心の声と格闘しながらペンを動かしていました。

4回目、最後のワークショップ。
正直、参加することをとても躊躇しました。
テーマが「命を守る」だったこともあり、より受けとめられない気がして。
けれど、行って本当によかった。

私はどこかで、「シビアなことをグラフィックにするのは不謹慎なんじゃないか」と思っていて。
グラフィックがあることでいろんな人の目にとまったり、その場を柔らかくしたりと、いいことがあるのはわかっていても、どうしても自分の湧きおこる気持ちと仲良くなれずにいました。

けれど、「前に進むために私は描いたらいいじゃん」と最後のワークショップで思うことができ。
一生付き合う「私」というものを不幸にしないために、その場で私らしくベストを尽くす。
いろいろな気持ちが昇華され、私も前に進むことができました。

備蓄をそろえ、家族で災害伝言ダイヤルの使い方を練習した3月。私がグラフィックをすることで救ったのは、私と私の大切な人でした。
そしてこの記事が、また他の誰かの心に届くことを願っています。


国土強靭化ワークショップでは、多様な話題提供者を迎え、ファシリテーショングラフィックを用いたことで、参加いただいた方それぞれが学びや気付きを得られる場だったと思います。このブログで興味を持った方は、国土強靭化のサイトで詳細なレポートが公開されているので、ぜひそちらをご覧ください。

最後に国土強靭化ワークショップでは、開催にあたりいろいろな方に協力いただきました。ご協力いただきました方々にお礼申し上げます。