港区政70周年「港区オープンデータアプリコンテスト」
防災に関するアイデアで応募し、このたび優秀賞を受賞しました。

提案内容
応募した所定書式での企画書/説明書はこちらです。
二次審査では、追加資料が可能でしたので、今後オープンデータ化を希望するデータや、形式変更を希望するデータの一覧も添付しました。

提案の背景
減災インフォの活動拠点のある港区初めてのオープンデータアプリコンテスト。
今回は限られた時間で「アイデア」にとどまりましたが、
これまでの活動の知識からの提案ではなく、港区の市民としての提案にしました。
具体的には、以下のような4つのマクロとミクロ、実体験に基づく想いや意見からです。
全国:昨年実施した「自治体防災アプリ、みんなでさわって考えよう」ワークショップ
→全国のアプリの傾向ではなく、参加者の生の意見
港区:ここ数年での港区の気象災害で困った体験
→現在の防災アプリやハザードマップは気象災害(内水、土砂災害等)の情報が薄い
港区高輪支所:防災ボランティア養成講座の受講経験や仲間の意見
→情報はあちこちにあるのに見つけ辛い
町内会:町内会に入る前の苦労
→町内会名が旧町名のため、新住民はどこかわからない

困った体験の例
区内ではここ数年、大雨時の警報等発令時、ホームページがつながりにくくなる状況が発生しています。頑丈なビルの中にいる人も含め港区全域が危険なのではなく、急なこう配等危険箇所の人に向けた呼びかけが必要とずっと感じていました。
2015年
港区の避難準備情報ページが落ちてる(準備できない
— totobook (@totobook2) 2015年9月9日
港区避難準備情報 土砂災害の危険箇所 https://t.co/tCiZz7lQiZ 昨年も問合せ殺到したようですが、今年もHPつながりにくいです。 #東京都港区災害 @gensaiinfo pic.twitter.com/dyWCCdrRtg
— 減災インフォ (@gensaiinfo) 2015年9月9日
2016年
港区水位・雨量情報HPへのアクセスができなくなっています。浸水ハザードマップは参照できます。(サーバーを2倍に増強したと職員の方に聞いたのですが…) pic.twitter.com/956SSTjBMC
— 減災インフォ (@gensaiinfo) 2016年8月20日
「こうだったらいいのに...」
普段の生活の中で感じても、全くツテのない行政機関にそれを伝える機会や勇気はないものです。今回のコンテストは、これまで感じていた市民として「こうなったらいいのに」を提案する機会となりました。
実際に「アプリ」を開発するところまでは今回行きませんでしたが、今後も継続して取組みたいと思います。具体的には、この企画を、地域サポーターの仲間(防災ボランティア養成講座 受講者と恊働推進係)と共有し、継続して進めるべきことを相談しながら一緒に活動できればと考えています。
自治体オープンデータの課題
今回、区のHPやオープンデータを改めてじっくり見て、データを探し、整理し、改めて気づいたことが3つあります。
1)防災に必要なデータは危機管理課所管のものだけではない。現在のアプリやHPは部署ごとの情報整理で、関連が見辛い。市民目線でのわかりやすさが大切では?
2)データ項目の意味や鮮度などがわからないものが多い。また、せっかくのオープンデータの有無が元データのページに記載されていないため、利用できるデータがあることを気づきにくい。
3)オープンデータの形式にはPDFも含まれ、Excelも印刷フォーマット(いわゆる「紙Excel」)だと使いにくい。また、CSVは文字コードがバラバラで文字化けするため、APIもしくはExcelの方が扱いやすい。港区特有の事情として、支所ごとにファイルが分かれているのも比較には扱い辛いので、まとめられないか?
などなど。
これらの課題は、港区だけの問題ではない面も多いかもしれません。
どうしたら公開しやすいか?、どんなデータが使いやすいか?自治体と市民の対話を重ね、その経験をこれからの地域にも共有していくことが必要なのかもしれません。

減災インフォはこれまで後方での全国レベルでの情報整理とネットでの発信が中心でした。
今回の受賞を、身近な地域の行政や市民の方々との恊働で課題解決を始めるきっかけにしたいと考えます。そして、その教訓を他の地域のシビックテックなどのみなさんと共有し合い、改善をスピードアップしていきたいです。
オープンデータ2.0?
行政と市民が共に考え、動くフェーズへ
表彰式での区長からも、自治体だけで課題解決することは難しく、情報公開・オープンデータを推進することで、区政運営を透明化するとともに、市民がデータ利活用しやすい環境をつくり、恊働で課題解決を進めて行く必要があるとお話がありました。

今年3月には東京都オープンデータ防災アプリコンテストも開催されます。
これまで、東京都内のオープンデータ推進は都市部の中でやや遅れていましたが、2016年度は大きく前進した年になりました。
2017年。
オープンデータを「公開する」ことが目標のフェーズから、
「行政と市民が共に考え、動く、改善していく」フェーズへ前進する年にしていきたいですね。
港区のみなさん、ありがとうございました!
これからも連携のほど、よろしくお願いいたします♡
減災インフォ 小和田 香